PM試験 科目B-2(午後Ⅱ)
PM試験論文で使える具体的な書き方|抽象表現をPMの行動へ直す
「十分に調整した」「適切に管理した」だけでは、採点者に状況が伝わりません。誰が、何を、なぜ、どの順で行ったかに直すことで、PMとしての判断が見える文章になります。
具体性は、専門用語の多さではない
論文を具体的にしようとして、手法名や専門用語を増やしても、PM自身の判断が見えなければ評価されにくくなります。具体性とは、初めて読む人が状況と因果関係を再現できることです。
次の四つを補うと、抽象的な文を経験に基づく文へ直せます。
- 誰が: 利用部門、開発責任者、運用担当、外部委託先など
- 何を: 要件、優先順位、影響範囲、リスク、完了基準など
- なぜ: 納期、品質、コスト、事業影響からの判断根拠
- どうした: 確認、比較、提案、合意、実施後の検証の順序
よくある抽象表現を書き換える
| 抽象表現 | 具体化する問い | 書き換えの方向 |
|---|---|---|
| 関係者と調整した | 誰と、何を決めるために、どの情報を確認したか | 参加者、判断材料、合意内容を書く |
| 進捗を管理した | 何を基準に遅れを判断し、どう対応したか | 予定と実績の差、優先順位、対策を書く |
| 品質を確保した | どの品質リスクを、いつ、どう確認したか | 完了基準、確認方法、是正判断を書く |
| リスクを管理した | 何が起きると、誰にどんな影響があるか | 発生可能性・影響・予防策・代替案を書く |
例えば「私は関係者と十分に調整した」を、次のように直します。
私は、仕様変更による稼働時期への影響を開発チームだけで決めないことにした。利用部門、運用担当、開発責任者へ影響範囲を確認し、繁忙期前に必要な機能を優先して合意した。
この文では、調整の相手、目的、判断、合意内容が分かります。
課題は「理想と現状の差」で書く
「進捗が遅れた」「品質が悪かった」では、どれほど深刻だったのかを判断できません。課題は、目標と現状の差、さらに放置した場合の影響をセットにします。
本来は結合テスト開始までに10件の外部連携を完了する計画だったが、確認待ちの仕様が3件残っていた。このままではテスト期間が短くなり、繁忙期前の稼働に必要な品質確認ができないと判断した。
実際の数値を出せない場合も、「予定より何週間」「複数の利用部門」「一部の重要機能」のように、守秘義務に触れない範囲で規模と影響を伝えます。
判断の理由を一文足す
PMらしさは、行動そのものよりも、なぜその行動を選んだかに表れます。「会議を開いた」「担当を増やした」の直後に、比較した選択肢や優先した価値を書きます。
私は、全機能の同時稼働よりも重要業務の品質確認を優先すべきと判断した。後から修正しにくい外部連携のテスト期間を確保するため、影響の小さい帳票機能を後続リリースへ分けた。
このように、判断の軸を置くと、施策の妥当性が伝わります。
段落は結論から書く
一段落では一つの判断または行動を扱い、最初の文で結論を置きます。その後に状況、根拠、詳細、結果を続けると読み手が迷いません。
- 結論: 私は重要機能を優先して段階的に稼働させることにした
- 根拠: 品質確認の時間を確保しないと事業影響が大きいと判断した
- 行動: 関係者へ影響を説明し、対象機能と日程を合意した
- 結果: 重要機能の確認を完了でき、残りを後続で安全に稼働させた
書いた後に、各段落の最初の一文だけを読んでください。論文全体の判断と行動の流れが追えるなら、具体的な文章になっています。